みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

2021-01-23から1日間の記事一覧

沈黙のユズけしマシン(2017年3月3日)

喫茶店や個人経営の飲食店に入って、店員と世間話をするのが苦手すぎる。 職場の前の個人経営の喫茶店に1週間に1回くらい行っていて、もう3年くらい通っているのだが、世間話をしたことは一度もない。店主は私が向かいの図書館で働いていることを知ってい…

すれ違い痛心(2017年2月24日)

図書館やショッピングセンターなどで棚と棚の間が狭いときに、そこに人がいて、そこを通りたい場合にどうすればいいのかの正解がわからない。 人間3人分くらいの幅の通路の真ん中に右を向いて人が立っていた場合、「失礼します」と言ってすぐ後ろを通ればい…

白飯戦線異状なし(2017年2月17日)

カレーライスを食べる前に全部混ぜるのは行儀が悪いといわれている。 私は混ぜない。最初に全部混ぜてしまうと、自分にとってカレーがご飯の比率に対して少なかったときに困るからだ。味の薄いカレーメシを最初から最後まで食べ続けることになるのはいやだ。…

遊び疲れて起きて寝た先(2017年2月10日)

子どもの頃から、空を飛ぶ夢を見ることが多い。現実から逃げたいことの表れだというが、本当なのだろうか。 飛び方はだいたいいつも同じだ。私は傘を持っていて、外では強い風が吹いている。外で傘をさして、高くジャンプしたときにちょうど強い風が吹くと、…

目玉焼きはパーソナルなジェンガの歴史(2017年2月3日)

【目玉焼きの作り方】 フライパンに油を多めに引いてフライ返しでのばし、中火で熱くする(火はずっと中火)。 卵を割り入れて(高いところから落とすと黄身が割れる)、 白身の底が固まって黄身が固まった白身の上に乗っているような状態になったら(固まる…

家の中に九官鳥がいます(2017年1月27日)

夏目漱石の『変な音』という随筆がある。「隣の病室から何かをこするような音がして気になる」という話だ。他人の音の正体がわからないというのは、とても気味が悪い。 今住んでいるアパートの下の階から、時折変な声と音が聞こえる。 むりやり文字におこす…

顕微鏡のレンズが大事なキツネと距離のはなし(2017年1月20日)

人間関係の、微妙な距離の引き離し方がわからない。 「あなたのことは嫌いではありませんが、一緒に飲みに行ったり出かけたりはしたくない」と伝えるのはとても難しい。理由をつけて何回も断ればいいのかもしれないが、その理由にも限りがあると思う。決めつ…

違いがわかりたい(2016年1月13日)

家でコーヒーを淹れてみたいと思う。しかし、その道のりは険しい。 まず、ペーパードリップかフレンチプレスか、どちらがいいかわからない。どう違うのかも、味覚で判別できるほど私の舌は肥えている自信がない。だったらどちらでもいいじゃないかという気も…

みやけばなし(2016年1月6日)

エッセイというものを、私は軽蔑していた。 エッセイは、学がなくても書ける。何も調べなくても書ける。 「STAP細胞はある」と、学術書で言ったら詐称になるが、エッセイの中でいくら「STAP細胞ある気がするなあ」と言い続けても、だれにも怒られない。 えん…

2016年12月24日箱根ツーリング留書(2016年12月17日)

2016年12月24日から25日にかけて、やることがなかったので一人でバイクで箱根に行った。 その話を相方にしたところ「今まで聞いたソロツーの中で一番酷い」との評を得たので、来年始めるブログに先駆けて自戒も込めてここに残しておくので参考にしてください…

バイクに乗るということ(2016年5月20日)

バイクが壊れた。今のパートナーと付き合っていなければ絶対買わなかったと思う代物だ。だいたい他の車は鉄の壁で守られた状態でいるそばを、ほぼむき出しの生身の人間が時速何十キロものスピードですっとんでいくなんてことが国に許されているということか…

何で勉強しなくちゃいけないのか(2016年5月11日)

一昨年の正月、いとこに「なぜ勉強しなくちゃいけないのか」と聞かれた。 『世の中は勉強がどのくらいできるかで分かれていて、勉強をしておくと、その分勉強ができる人が多い社会に行くことができる。だから、自分が一緒にいたいと思えるような人と一緒にい…

本アンテナ(2016年3月14日)

図書館で働いているので本を目にしたり手に取る時間がとても多い。図書館で借りられるから買わないのかというとその逆で、気に入った本は手元に置きたくなるのでむしろ購入する量は増えた。毎月10冊は買っていると思う。 図書館で見かけた本で気になる本があ…

手の写真集(2016年3月2日)

先日ようやくバイクを納車したのだが、バイク屋の兄ちゃんの手が真っ黒でびっくりした。機械油だらけで木の枝みたいになっている。しかし汚いとは思わなかった。むしろ「いいなぁ」と思う。 手を見ればその人がどんな人かわかるのではないだろうか。手相もそ…

親切のテトリス(2016年1月7日)

人に親切にするのはとても難しい。親切にする側にもされる側にも心の余裕がないとうまくいかない。 ずいぶん前の話になるが、夜仕事を終えて家に歩いて帰る途中、前方に車椅子に乗っている人の後ろ姿が見えた。その日は朝から霧雨が降っていて、その人は傘を…

ひと手間のロマン(2015年12月16日)

チェーンの定食屋(なか卯ではない)に入って鯖の塩焼き定食を頼んで驚いた。骨が抜かれている。ええっと思った。自慢だが、私は焼き魚を綺麗に食べられる方で、食べる時は毎回「まず背と腹の間に箸で切れ目を入れて上の身を食べて背骨を外して…」という行程を…

二つのリンゴについて(2015年8月12日)

カウンターで接客をしている最中、自分のレジのお客様が捌けて、隣のレジで二番目に並んでいるお客様に「こちらにどうぞ」と招き入れようとして「あ、一緒です」と言われることが多々ある。 「前に並んでるこの人の付き添いなので結構です」という意味である…

タメ口敬語戦線(2015年7月12日)

もうずいぶん前の話になるが、コンビニ店員に敬語を使わない知り合いになぜ敬語を使わないのか理由を尋ねたところ、「よそよそしい感じがするから。親しみを持ってタメ口を使っている」と答えられ、カルチャーギャップに驚いたことがある。 私はそれまで、店…

こわいなか卯(2015年7月9日)

私は大変に行動力と危機管理能力に優れているので、大抵のものは怖いと感じない方なのだが、「何か怖いものはあるか」と聞かれたとしたら「なか卯」と答えることにしている。 知らない人のために説明すると、なか卯とはチェーンの和食屋である。これは『まん…