みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

手の写真集(2016年3月2日)

 先日ようやくバイクを納車したのだが、バイク屋の兄ちゃんの手が真っ黒でびっくりした。機械油だらけで木の枝みたいになっている。しかし汚いとは思わなかった。むしろ「いいなぁ」と思う。
 手を見ればその人がどんな人かわかるのではないだろうか。手相もそこから派生してできたんじゃないか。名探偵コナンで『弓道初心者はよく親指を怪我する』と言っていたがうろ覚えだ。そういうものが手にはたくさんある気がする。
 ここで自分の手を見てみる。左薬指と中指が青緑色をしている。昨日手紙を書いていて乾ききっていないインクを誤って擦ってしまった時の色が、洗っても落ちなかったのだ。 左手のひらの中央に「グレースケール」とボールペンで書いてある。仕事中「グレースケールって何ですか」と同僚に尋ねられて、わからなかったので後で調べようと思ったのだがまだ調べていない。忘れっぽい人は手のひらにメモをする傾向があると思う。 左の人差し指の付け根に黒い点がある。小学校の頃、刺さった木のささくれを鉛筆の先でほじりだろうとしたら、黒鉛が肉の中に残ってしまったらしく、表面が治っても鉛が閉じ込められたままなのだ。たぶん一生このままだろう。 左の人差し指・中指・薬指の先が硬いのはギターの練習をしているから。右手の中指の第一関節の脇が硬いのはペンだこだろう。右薬の第一関節と第二関節の間に傷があるのはさっき本の紙で切った。
 ざっと見ただけでもこれだけある。手は身体の一部でありながら道具のような性質を持っているから、その人の行動様式や性格がわかりやすい。たくさんの人の手を調べて写真集を出したら楽しいだろう。