みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

ときにはしぇふのように(2017年4月28日)

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    料理が上手いというのは、一般的には普通の食材で普通の料理を作るのが上手いということをさす。オムライスだったら、最低限のラインで言えば卵が焦げたり泡立ったりしていないとか、中身の玉ねぎが生だったりしないとか、味付けがしょっぱすぎないとか、そんなところだろう。

    クックパッドツイッターでもてはやされるレシピは、『その辺のスーパーにある材料を組み合わせて新しい味を簡単に作り出せる』というような類のものが多い。私も面白そうなレシピはメモ帳に保存しているし、桃モッツァレラなどは毎夏作っている。しかし、こういう斬新で簡単な組み合わせをたくさん知っているということは、料理が上手いということになるのだろうか?簡単な工程しか踏まないから、下ごしらえや出汁の取り方などの基本の料理スキルが上がるわけではない。いろいろなレパートリーの簡単料理を知ってしまうと、それだけで献立が回せてしまう。結果、いつまでたっても料理が上手くならない。

    『簡単レシピ』『時短レシピ』というものがもてはやされているのは、短文で読めて訴求力があるというのもあるだろうが、社会全体として単身者が増えたのと、その多くが長時間労働で忙しいからだろう。『終電ごはん』なんて本が出るくらいだ。イギリスのメシが不味いのは、まだ冷蔵庫が発明されていない時代に産業革命が起きて農家が都市に駆り出され、缶詰や根菜をただ茹でるだけのような食事しかしなくなって食文化が壊滅したせいだというが、それは現代の日本でもあながち他人ごとではないのではないかと思う。

    休みの日くらい煮物をしよう。