岩手旅行三日目。
二日目まででいかに電車やバスの本数が少ないか実感していたので綿密な乗り継ぎ計画を立てた。
とは言え三日目の平泉は『るんるん』という巡回バスが10分置きくらいに要所を回っていたため、結論から言うとほとんど待ち時間なく回ることができた。
宿をチェックアウト後、昨日小岩井農場で買った裂けるモッツァレラをもきゅもきゅして(かなりうまい)、宿の近くの諏訪神社へお詣りしておみくじを引いた。中吉、『何れに行くも損なし』。これで清水寺の凶は払拭した。
平泉の駅前。いきなりかなりの風情。駅前に『どぶろくソフト』という看板があってすこぶる気になったが、これから先何があるかわからないのでやめておいて先を急いだ。
これがバスの巡回ルート。主要な観光地を回ってくれているぽい。全く詳しくないので一日フリーパス(400円)を買い、時間が許す限りルート任せに降りてみることにした。
毛越寺。慈覚大師が白毛の鹿の毛に導かれて山を越えたことから。平安時代を復元した庭園が素晴らしい。ちょっと紅葉し始めていたのも良かった。
遣水(写真3枚目)は曲水の宴(遣水の流れに盃を浮かべ、流れ来る間に和歌を詠み、詠み終わったら盃を戴く。平安時代に盛んに行われた)の舞台。ここでお茶会とか開いたらのどかだろうなぁ。
今回お目当の中尊寺。山道を登る。
道中横道にお堂や茶店などがあり、歩いていて飽きない。松尾芭蕉の足跡を辿る展示なんかもあった。
特に気になったのが下の写真のところ。薬師瑠璃光如来を祀っていて、目にご利益があるらしい。
金色堂。当然中は撮影禁止。柱も床も金ピカで細工がぎっしり、所々象牙とか紫檀も使われていたりすごかった。
中尊寺は一通りまわってすぐ降りてしまったが、もう少しじっくり回りたかったなぁ。最終日で新幹線の時間があるのでやむを得なかった。
高館義経堂からの眺め。義経最期の地。義経を祀る祠もあって、似せた像もあったんだけど、何となく撮るのはやめた。
道の駅平泉。小さい子どもが焼き牡蠣の売り子をしていて可愛かったので食べた(牡蠣を)。おいしかったです。
平泉の駅で電車を待ちながら、最初に降り立った時に気になった店でコロッケを食べて、早めに平泉を後にした。
とにかく新幹線に乗れなくなるのが怖くて、二時間前に新花巻についていた。新花巻前の『山猫軒』でこだわりラーメンを食べたり(駅弁まで待てば良かったのだが手持ち無沙汰だった)、土産物屋でごま摺り団子を買ってつまみ食いしてみたりした。ごま摺団子はジョジョのアレの元ネタで、ごま餡ではなくごま‘蜜'が入っている。プチュッてする。ンマイ。
こうやって見返すと三日目はちょこちょこ食べてばっかだったな。
新幹線に乗った。
さようなら岩手!
新幹線に乗って、三日間ずっと景色にあった緑がだんだん減っていって、建物が増えてビルが増えていくにつれ、何となく今まで緊張していたな、と気づいた。
岩手にはそもそも人があまりいなくて、リュックを背負って電車に乗っているといかにも観光客だなという感じになってしまう(他にも観光客はかなり居たけれど)。そして、人の頭数が少ないせいか、「あ、こいつ訳ありだな」という感じの人もあまり居ない。すっきりしすぎているというか。何となく安心できなかった。
やっぱり自分には東京があっている。東京はごちゃごちゃしていて紛れられる感じがするし、生きていても許される気がしてくる。旅行は楽しかったけど、住むのは東京で、旅はたまにでいい。それがわかったという意味でも、非常に有意義な旅だった。
この旅の教訓
・田舎は電車やバスが二〜三時間に一回とかしか来なかったりするので、事前に時刻表を調べて乗り継ぎを計画しておかないと時間をロスする。
・NAVITIMEやGoogleMapは地方のバスには疎いので、地元のホームページや目当ての施設のサイトでチェックする。
・田舎は夜になると本当に何も見えないくらい真っ暗になる。
・ビジネスホテルの素泊まりはひとり旅にはちょうど良い。
・岩手ではテレ東系のテレビが放送されていない(けものフレンズの再放送が見られなかった)。
・ICタッチできそうな改札でもSuicaが使えるとは限らない。
・飲み屋の食べ物が美味しかったら持ち帰りで買えるかダメ元で聞いてみると案外買えることがある。
・わんこそばは予約してから行かないと混む。店によっては予約しないと出してもらえない。
・東京はなんだかんだで住みやすい。