みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

シナモン採掘場(2017年12月15日)

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 シナモンスティックはそれ自体は味がしない。しかしシナモンを入れるとおいしくなるものはたくさんある。

 シナモンが合わないものももちろんある。青魚ばかりの家に生まれたシナモンの子供は可哀想だと思う。「お隣の醤油ちゃんはあんなに塩味とコクがあるのに、それに比べてうちの子は」などと言われるのだろう。シナモンに醤油と同じ効用を求めるのは間違っているし、青魚と合わないという理由だけでシナモンの価値を全否定するのはおかしい。そもそもシナモンは調味料じゃないし。

 環境によってその良さが評価されないということは往々にしてあると思う。シナモン自体の香りが好きな人と嫌いな人がいる。シナモンそのものの香りが嫌いだと、シナモンに合うものを探そうという気持ちにもならないかもしれない。大嫌いな甘いお菓子に使われるシナモンは、大好きな肉料理と相性抜群かもしれないのに。

 ものの価値を正当に評価するのは難しいし、自分に合うものを探すということはなおさら難しい。自分の興味範囲外の場所にあるかもしれない自分の好きなものを掘り当てるというのは大変に骨の折れる作業だ。そういうときに、自分と趣味の近い友人がいるということは良いことだ。その友人が良いというものは、自分にとっても良い可能性が高い。あるいは興味範囲が全然違う友達がいれば、その友達は自分なら絶対に掘らないような場所まで出向いて行って全く見たこともないようなものを掘ってきてくれるかもしれない。

 この世は宝石と地雷が両方埋まっている巨大な洞窟のような場所だと思う。宝石を加工して新しいものを作ることもできる。しかし洞窟を掘るにも何人かで掘ったほうが効率が良い。友達は無理してまで作るものではないが、趣味が合う友達がいるのに越したことはない。