みやけばなし

エッセイブログです

時間のバター(2020年12月6日)

 5分早く起きて朝の支度をする。全ての動作を「5分ぶんゆっくりにする」。そうすると、朝の時間が慌ただしくなくなる。

 よく「5分前行動をしろ」と言われるが、全部の行動を5分ずつ前倒しにするという意味ではなく、上記のように使うこともできる。これにより、忘れ物や慌てたことによるトラブルを減らすことができる。

 私は朝より夜のほうが好きなのだが、朝が嫌いなのは「慌ただしいから」ということも大きいように思う。また、早朝には早朝にしかない、空気の澄んだ感じや鳥の声だけが聞こえる静けさ、「まだこんなに時間がある」という心の余裕、暗闇がゆっくり明るくなっていく大画面スクリーンセーバー等の限定ログインボーナスがある。なのでたまに頑張って朝早く起きてみると、「朝早く起きるのもいいなあ」と思う。

とは言っても、二度寝が気持ち良いことも科学的な事実なので、継続するのは難しい。

 5分だけの二度寝ならリラックス効果があり、睡眠のリズムも崩れないのでむしろ研究に良いという説もある。バター5gをそのまま食べるのと、スープに溶かして食べるのと、どっちがおいしいかという話に似ている。

 一般的には「時間を溶かす」というと、SNSやゲームに集中して時間を浪費してしまうことをさす場合が多いが、何かを本来の所要時間より5分多く時間をかけて全ての動作を「5分ぶんゆっくりにする」ことも、意図的に「時間を溶かす」行為だと言えると思う。「これを使えば時短になりますよ」という機械やライフハックが蔓延する社会の中で、効率化に逆行する贅沢な行為でもある。

 問題なのは、「嫌いなことにかける時間は省略して、好きなことに時間をかけよう」と決めたとしても、その嫌いなことももしかしたら「時間をかけてやったら(時間を短縮したら)好きになるかもしれない可能性がある」ということだ。その所要時間は、その行動をするにあたって本当に「最適」か?入浴にかける時間一つとっても、15分・20分・30分・1時間ではできることが変わってくるし、満足度も当然異なる。

 もしかしたら世の中の行為にはそれぞれ最適な時間の長さがあって、1回の行動でその時間の長さやればつまらないことなんてないんじゃないかという気さえしてくる。