みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

水を飲むこと(2023年3月5日)

 よく美容系の情報などをあたると「健康のために水を1日2リットル飲んだ方がいい」という言説を目にする。夏場は自然にそのぐらい飲んでいるかもしれないが、冬は意識していないとコップ2杯くらいしか食事以外の水分を摂っていなかったりする。

 

 水を2リットル飲もうといっても簡単にはいかない。どうやって職場に水分を持ち込むか。いちいち自販機でペットボトルを買うとかなり高くついてしまう。かといって箱買いして水のペットボトルを大量に積んでおくのも床のスペースを無駄にとってしまうので好ましくない。私の今住んでいる部屋は独房並みに狭いので、例えば20㎡中1㎡を水の段ボールが埋めるとなると、家賃6万7千円の20分の1である3,350円を水に支払う計算になる。それは何だか癪ではないか。

 

 一時期Twitterに出回っていたBRITAの浄水フィルター付き水筒の広告を見て「これだ」と思い買って使ってみたのだが、正直水道水とろ過水の何が違うのか、自分には判別つかなかった。以前紙コップで市販のミネラルウォーターのテイスティングごっこをして、硬度順に並べ替えることにほぼ成功した経験があるので、私がバカ舌だからではないと思う。フィルターの手入れについても、毎日外して手洗いし、1週間に1度煮沸消毒し、1か月に1度新しいものに交換しないといけないというのが私には難しかった。そしてフィルターを通すためにボトルの真ん中あたりを握って圧迫するのだが、そのときに「ジョロジョロ」という音がするのが静かな職場だと何だか恥ずかしかった。机の下でやると余計にジョジョ五部でアバッキオアバ茶を淹れたとき(知らない方はググってください)みたいになってしまって気まずいので、結局別室に行って飲むという本末転倒なことになった。だったら水道からコップに水を注いだって同じである。

 

 そもそも水を多めに飲んでもいまいち体に何か良いことが起こっているという実感が湧きにくいことも、水を飲まない原因な気がする。コーヒーや紅茶は美味しいしカフェインが入っているので明確な精神効果が得られるが、水分は相当不足しないと自覚するほどの健康被害が出ないので、飲もうというモチベーションが湧きにくい。毎日やった方がいいことは水を飲む以外にも、歯を磨くこと、シャワーを浴びること、運動すること、薬やサプリメントを飲むこと、ゴミ出し等挙げたらきりがないので、優先順位が低い行動はどうしても後回しになってしまう。

 

 正月に久しぶりに祖父母の家に行ったら「1時間に1回は水を飲むこと」という貼り紙が冷蔵庫に貼ってあった。70歳を超えても習慣化できないくらい難しいらしいが、逆に言えばそれでも長生きしてこられたことを考えればさほど重要な習慣でもないのかもしれない。