みやけばなし

会社員やりながら高円寺でギター弾いてるやつの日記

臓器会議(2023年5月28日)

人生で初めて胃カメラを受けた。鼻から管を通されて自分の胃の中をモニターで見せつけられるのだが、胃の中にガスを送り込まれるのと喉を通る管が唾を飲み込むたびに引っかかって苦しくて痛かった。苦しくて痛いのを我慢した結果、「全体的には綺麗だけど胃の入り口に少し炎症と萎縮がある」という微妙な診断を下されてしまった。私が好きな辛いものも脂っこいものもブラックコーヒーも、全部胃に悪いらしい。非常に残念である。

病気の弊害は、病気それ自体の支障に加えて「こういうことを気をつけなかったからいけないんだ」と医者に言われたり、「これからはこういうことに気をつけなさい」と制限されたりして、人生の幅を狭められるところにあると思う。ただ、せっかく肉体を持って生まれてきたのにそれを全く消費せずに80まで生きて「もっと無茶してもよかったな」と思って死んでいくのも本末転倒であろう。

例えば徹夜は明らかに体に良くないが、一生に一度も徹夜をしたことがない人生が「健全か」というと、必ずしも健全とはいえないと思う。何かに夢中になったり、やるべきことがあって徹夜するという経験は人生において発生しない方が不自然だ。

また、一口に「体」といっても、臓器間で利益がバッティングしているのも困る。例えばコーヒー自体には脂肪燃焼効果やストレス解消効果があるが、ブラックで飲むと胃に負担がかかる。そこで胃への負担を減らすために牛乳で割れと指導されるのだが、牛乳で割ったら脂肪分を摂ることになるし、無脂肪乳は美味しくないのでストレスが解消されない。八方塞がりである。

もう面倒くさいので、臓器で集まって会議を開いて「肉体全体で見たとき最も身体に貢献できる食物」が何なのかを決めて欲しい。決められたとしても、それをストイックに食べ続けるということはできはしないだろうが。