2024-07-29 壁の扉 フラッシュフィクション 10年前、僕はある扉の前に立っていた。 扉を叩く。開かない。 僕は我慢強い方だったと思う。ときには弁当や寝袋まで持参して、数年もの間、日夜叩き続けた。 開かない。 僕はそのうち諦めて、別の入り口から外へ出た。 10年後、僕は扉のあった壁の向こう側を訪れた。 そこにあったのは、壁に描いてある扉の絵だった。