アプリでギターの練習を始めた。TOEICやITパスポートの勉強をしたときスマホアプリを利用したことでうまくいった経験から、ギターも同じ感じでできないかなと思いついて探してみたところ、Fretelloというオーストリア発のアプリに行き着いた。
初めてギターを触る人用のコースで始めたところ、音符の読み方に始まり「じゃあ音符と一緒に手拍子してみよう!」という本当に初歩的なところから始まった。さすがにそれくらいは「できらぁ!」と思った。(思ったのだが、これがまさかの「できていない」ことが後に判明する。)
コースの基本的な進行としてはまず解説動画があり、その後譜面が表示されクリック音が流れ始め、それに合わせてギターを弾くという感じ。楽譜通りの音をマイクが集音すればバーが右に進んでいき、間違った音を弾くとバーが止まる。とてもわかりやすい。

しかし、練習を進めるうちにとんでもない仕様に気がついてしまった。正しい音でも、クリック音から少しでもズレると「進みはするがバーが震える」のである。本当にシビアに、クリック音と完全にジャストのタイミングで音を鳴らさないとバーが滑らかに進んでいかない。そしてこれを♩=20〜30くらいの激遅BPMで強いられるので、逆に正しいタイミングでピッキングすることが困難なのだ。こんなBPMサティくらいでしか聴いたことない。親が子供を寝かしつける時に歌う子守唄より遅い。クリック音が木魚の音みたいに聴こえてきて気が狂いそうになった。
しかしこれが何日も続けていると、とれるようになってくるのだ。八分音符で中間を勝手にカウントするなどという小細工を使わずに温泉の湯もみ歌より遅いタイミングに拍子を合わていると、だんだん音のタイミングが起伏のある波のようなものに感じられてきた。UNDERTALEというゲームをやったことがある人は、あの攻撃バーのど真ん中に来た時にボタンを押す感覚を想像して欲しい。あんな感じだ。あれを延々やっている。

(こういう感じ)
そしてゆっくりのリズムでそれができるようになると、まともな速度(♩=100とか)の曲でも明らかに前よりもクリックのタイミングに合ったか合わなかったか、という感覚が追加されたのが実感できておおーとなった。
「弾けない曲は遅いスピードで練習して段々速くすると良い」というのは散々よく聞く話だが、ここまで遅くすることにメリットがあると思っていなかったので思わぬ発見だった。あり得ないぐらいゆっくりにすることで初めて「本当にクリック音ジャストで音を鳴らせているかどうか」ということが判断できるようになってきた。
このブログでは何度も引用しているが、ミヒャエル・エンデの『モモ』のカメの話を思い出す。あり得ないぐらい遅く歩くカメの後ろに付いていってゆっくり進むことでしか通れない路地の話だ。もしかすると、こういう「通常の動作をわざととてつもなくゆっくりやることでしかわからなかったこと」って、人生の中で他にもあったのか?何だかゲームの実績をことごとく一枠ずつ逃してきたような気がしてきたが、今回はひとまず実績解除できたので良いことにしようと思う。本当すごい良いアプリなんで超オススメです!全部英語だけど!
