みやけばなし

日々の記録とフラッシュフィクション

フラッシュバック整い(2023年6月18日)

 サウナに入って300数えた後、汗を手桶で流して水風呂に1分入る。その後、椅子に座って休む。
すると、周りの空間がぐるぐるしているような、それでいて視力や聴覚が良くなっていくような不思議な感覚に陥る。いわゆる「整う」という状態だ。

 サウナについて上記のような楽しみ方があると知ってから、私も何度かやってみた経験がある。実際「整う」という現象は起きたし面白かったのだが、心臓がやたらバクバクするので怖い(心臓に良くないらしい)のと、サウナ→水風呂の流れが苦行すぎて得られる快感に釣り合わないという理由で飽きて数回でやめてしまった。

 しかし先日、日常の中で「これ整ってるんじゃね?」という状態になるということが起きた。
その朝私は仕事へ行くのに家を出るのが遅れてしまい、最寄りの駅まで走らなければならなくなった。朝から暑く、駅までは20分近くかかる。ようやく駅のホームにつき、自販機で買った水を飲んでベンチで一息ついたとき、視界が徐々に斜めに傾き始めた。
 「整う」という経験をしたことで、暑い中心拍数が上がった直後に急激に沈静化した際「整う」がフラッシュバックする体質になったのかもしれない。
薬物乱用のフラッシュバックみたいに「サウナに行かないと具合が悪い」とか「サウナに行きたくて何も考えられない」みたいなフラッシュバックじゃなくてよかった。

 一つのことを体験したとき、そのことに夢中になってそれだけやり続けたり考え続けることが「運命の出会い」とか「良い出会い」とされがちだが、そんなにハマりはしなくてもちょっと触れたことで「これに応用できるな」という体験もそれはそれで良い体験だと思う。

 わざわざサウナに行かなくても、
体温を上げる→体温を下げる→休む
つまり
暑い中運動する→水を飲んで(シャワーを浴びて)体温を下げる→座って休む
で同じ状態になれるというのは極めたらいろんな意味でお得な気がするので、これから暑くなる中で試行錯誤してみたいと思う。