みやけばなし

日々の記録とフラッシュフィクション

断食二日目(断念)(2024年5月2日)

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サムネのとおりです。無理です。自分には三日間は続けられませんでした。

 

断食二日目

7:20
意外とよく眠れた。普段は酷いと3〜4回中途覚醒するのだがそれもなかった。
手脚が軽く、仰向けになると腹部が沈み込むような感覚がある。しかし不思議と空腹は感じない。物理的に胃が空いているというのと空腹感は別物なんだなと改めて気がつく。
だがそこからしばらく起き上がることができなかった。起き上がって空腹が襲ってくるのが怖いのと、朝食がないと思うと起き上がるモチベーションがわかない。やっぱり自分にとって朝食は大事なんだなと思う。

8:00
無理矢理自分を叩き起こして体重計に乗る。体重を減らすのが目的ではないけど一応記録として。
昨日の朝より1.1kg減っていた。このくらいの増減なら普段でもあるし、まぁこんなものだろう。空腹感もそんなにないが、一応水は飲んだ。

9:30
食器の断捨離をしていたら猛烈な空腹感が襲ってきた。「このスープ皿買ってから一回も使ってないけど終わったらミネストローネでも作ろうかな」などと考えてしまう。やはり食べ物に関することを考えてしまうとキツい。あと立ち上がると頭が上から冷たくなっていくような感覚がある。たぶん頭まで血が回っていない。温かいルイボスティーを飲んだら少し落ち着いたが、呼吸が浅くなっているのを感じる。気温16度あるはずなのに、長袖でもヒートテックを着ないと寒い。

 

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10:30
整体からの帰り道に未開封カップそばが落ちていた。道を歩いていて食べ物を見つけること自体はよくあるのだが、こんな日に来なくたっていいじゃんと思う。歩いたのもあって猛烈な空腹感が襲ってきた。全体的に体に力が入らない。
家に着いたら手足も冷たくなり、起き上がっていられなくなってそのままこたつで寝落ち。

12:00
気がついたらこの時間だった。眠ったからか身体がこたつで温まったからかわからないが、空腹はだいぶ和らいでいた。しかしこたつから出るとすぐにまた手足が冷たくなってしまう。心臓がいつもよりドクドクしているのに、それが手や足や頭に伝わってこない。元々血圧が低いので、一番最初に血圧がネックになってきているのかもしれない。今後定期的に断食するとしても、低血圧の自分にはせいぜい24時間が限界だなと思った。

14:00
水分を朝から1.2Lはとっているのに顔がカサカサするし頬の毛穴がひどい。断食すると肌が綺麗になるっていうのは、元々ファストフードとかお菓子とか食べまくってる人の話なのかも。あと完全に尿が水になった。この辺からちょっと怖くなり始める。意図的に食べ物の情報を避けていても、フィラデルフィアという地名を聞いただけでチーズのことを考えてしまったり、徐々にそれも難しくなってきた。

15:00
スタジオ練習は毎日やると決めていたのでとにかく行ってきた。いつも10分の道のりが15分かかった。地声に力が入らないので地声を使わない歌か、脱力系の曲しか歌う気がしない。それも声が裏返ってしまったりして全然様にならなくて、「深淵を愛するものは翼を持たなくてはならない」というニーチェの何かあれは本当だなと思う。ダウナーな曲であろうが、体力があるときに体力がない感じの声を出すことはできても体力がない状態で大きな声を出すことはできないので、単純に表現の幅が狭まるだけで歌には悪い影響しか及ぼしていない。歌っている最中にすぐ口が乾くのもモチベーションが下がる。「やってもいいことないってわかったし、もうやんなくてよくない?」「取り返しがつかないくらい身体にダメージ入ったらどうすんの?」「三日間連続で断食するんじゃなくて一日断食するのを何回かに分けてやればいいじゃん」などと思い始める。いつもは2時間あっという間なのに全然時間が過ぎていかない。つらい。

16:00
とにかく猛烈に具合が悪い。一日中立ちっぱなしで貧血になった日の症状がずっとある。こたつに入っていても手足が冷たくて頭が痛くて心臓がドクドクして全身がだるい。起き上がっていられないのでずっとこたつに寝そべってYouTubeを見ていることしかできない。いつだったか聞いた話によると「二日目が一番辛い」らしいので、明日の朝になったらいくらかマシになっていると信じたいが、明日の朝になってもこの状態だったら続けても良いこともなさそうだし中断しようかなと思う。

17:15
こたつで寝落ちして目が覚めたらまたこの時間になっていた。頑張ってシャワーを浴びにいく。

18:30
シャワーを浴びてハーブティーを飲んだら手足の冷えは回復したが、頭痛が全然治まらない。このままだと明日のスタ練に行けなくなってしまいそうなので、やむなく断食を断念。ニラ玉おじやを作って食べた。

 

 

ニラ玉おじやのレシピ

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【材料】(一人分)

ニラ 5本

卵 2個

炊いたロウカット玄米(または普通のご飯) 150g

しめじ 1つかみ

干し昆布 手のひらの半分くらい

干し椎茸 適量

めんつゆ(または醤油と塩) 適量

 

1.水800mlとしめじと干し昆布と干し椎茸とご飯を鍋に入れ、中火で温める。

2.温まってきたら卵を割り入れ、ニラを箸でつまんで口に入れられる大きさにちぎって鍋に入れる。(この辺のタイミングは正直適当)

3.めんつゆで味を整える。

4.沸騰したら火からおろし、お椀に盛る。

 

 

このおじやはいつ食べても美味しいのだが、今日は今までになく本当に美味しかった。ロウカット玄米がきな粉餅並に甘く、ニラも椎茸も香ばしい。味蕾が反応し過ぎて口の中がちょっと痛くなった。ローストビーフを口に入れると美味し過ぎて唾液が出過ぎて口の中が痛くなるあれだ。

その後バナナも食べたのだが、チョコレートの2〜3倍くらい脳にクラクラくる甘さだった。たぶんバナナをここまでおいしく感じる日は二度と来ないだろう。

 

いちいち感動していたら食べ終わるのに1時間くらいかかってしまったが、食べ終わる頃には頭痛がだいぶ和らいでいた。やっぱり自分にもカロリーって必要なんだなと実感した。

 

【総括】

一日半断食してみたが、身体に良い変化は何一つなかった。若干頬がシュッとしたかなと思ったが、それ以上に肌が乾燥して毛穴が開くし、体重もさして変わっていない。これなら今まで通り毎日の食事を少なめにして筋トレして少しずつ痩せていった方がずっと良い。

また、断食においてはお腹の凹む感じや空腹感が敵になるはずと予想していたが、自分の場合それはある程度押さえ込むことが可能で、むしろ低血圧になることで身体に不調をきたす方がキツいということがわかった。特に24時間経ったあたりから、事前に聞いていた「気分がスッキリする」「肌が綺麗になる」の真逆の現象が起きたことで完全に心が折れた。「始める前に数日間粗食で慣らしてから」という記事も見たが、これはそういう問題ではないと思う。純粋にカロリーが足りな過ぎて頭に血が届かなくなってはもうどうしようもない。低血圧には無理。

おそらくデトックス効果とかオートファジーとかいうのも、元々不摂生な生活をしている人が腸内環境をリセットするという「一発逆転」的な使い方なら効果があるのだろうが、私のように普段から食事にかなり気を遣っている人間からすれば逆効果だったのだろう。バランスの良い食生活を積み重ねて得られる盤石な健康に、一時的なデトックスが敵うわけがないということだ。

 

では全くやらない方が良かったかというとそうでもない。「胃が空になることからくる物理的な空腹感」と「外部刺激からくる脳由来の空腹感」は全く別の概念だということを身体で理解できた。前者は温かい飲み物で完全に対処可能だし、後者は食べ物の情報を遮断すればある程度は予防することができる。今後一日の摂取カロリーを超過してしまっているのに「でもまだ食べたいんだよな」となったときは、その空腹がどちらの空腹なのかを判別できると思うので、状況に合った対処をしていきたい。

今後としては、具合が悪くならない程度、三食のうち一食を飲み物ですます程度なら取り入れたいと思う。しかし長時間の断食はもうやらない。良い経験になった。

(終)