みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

禅禅禅座(2017年8月25日)

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 座禅室というようなものが仕事場の近くにあればいいのになあとよく思う。

私が考える座禅室というのはこういうものだ。

「フロントで利用したい時間分の料金(10分100円)を払うと、文字盤のないリストウォッチを渡され、2畳分くらいしかないせまい畳の部屋に通される。部屋には座布団がひとつ置いてあるだけで、ほかには何もない。

 防音がされているので無音だ。客はその部屋の中であぐらをかいて座禅を組んだり、ヨガをしたり、ストレッチをしたり、筋トレをしたり、疲れている人は横になって寝たりする。ただし飲食は禁止で、飲食したい人は外のロビーで食べられるようになっている。

 料金分の時間が経つと、リストウォッチが弱く振動するので、それを合図に退室する。延長したい場合はリストウォッチの延長ボタンを押すと延長できる。爆睡していてそのまま寝ていたりすると係の人が起こしに来てくれる。」

 漫画喫茶にかなり似ているが、10分単位で借りられるのと、モノが置いておらずタイマーが振動式なのが違う。『ほんの少し休むこと』に特化した施設になっている。

 昼休みに本当の意味で休憩するというのはけっこう難しい。時間をもっと有効に使いたいのに、実際にはその場所がない。

『昼に15分仮眠をとると頭がすっきりする』と言われても、デスクでつっぷしていると顰蹙を買うし、休憩室で寝ていたら昼飯を食べる人の邪魔だし、公園のベンチは暑いし虫に刺される。

 そんな時に「座禅室があったらなあ」と思う。高いサンドイッチよりも、横になれるだけの2畳が欲しい。おしゃれな会話やBGMよりも、無音が欲しい。私はかたつむりになりたい。

 東京は人が密集しているので、どこに行っても人の目がある。無音はどこにもない。だからこそ、無音と無視線を田舎から輸入して都会で提供したら、ビジネスになったりしないかなあと思うことがある。