みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

不便と化した世界(2023年8月27日)

歯は何故令和の時代にもなってこんななのだろう、と思うことがある。

歯の矯正を始めたとき「結局はゴムや針金の力で引っ張る」と知って驚いたが、それだけではない。

Q.知覚過敏といって歯茎が痩せて神経が露出してしまったために冷たい物が触れるとしみるようになってしまいました。
これに対する対処法が
A.塗料を塗る
って、どうなんだよと思う。

しかも歯は噛み締めや歯ブラシ等で刺激されるので、しばらくすると塗料は取れてしまうらしい。取れた方がまた来てもらえるからって禿げやすい塗料塗ってない?本当は取れない素材もっとあるんじゃないの?と思ってしまうが、素人にはどうしようもない。

糖尿病が酷くなると週三回透析を受けなくてはならなくなるという。緑内障になってレーザー治療が効かない場合、毎朝目薬をささないと視野が狭くなる速度が早まってしまう。病気になるとQOLが下がるというのは、この「本来やらなくて良いことに時間を使わなくてはならなくなる」ということをさすのだろうが、歯が「毎朝毎晩練り粉をつけてブラシで擦らないと菌が繁殖して使い物にならなくなる」というのは、人類が長らくそうしてきたから見逃されているだけでもう存在自体が病気なんじゃないのかと思うのだ。

食事をすると栄養として吸収されなかった残りが出るので排泄物として定期的に捨てなければならない、という状態は「病気」とはみなされていない。広義の意味での「病気」が撲滅された未来の人は、排泄物なんて出ない「完全吸収栄養食」みたいなものを食べているのではないか。宇宙食の研究が進んだら、いつか実現されても不思議ではないと思う。その世界では「昔の人は食べ物を食べる度に体に溜まったいらない物をトイレという設備に捨てに行く必要がありました。不便ですね」というような授業が学校でなされているのかもしれない。いやそれは便がなくなった世界なわけだから別の意味で「不便」なのか?