ポケモンスリープ(ポケスリ)というアプリを始めた。寝る前にスマホアプリを起動して睡眠を記録するとポイントがもらえて、ポケモンが出てきてゲットしたりカビゴンにエサをあげて育てたりできる、睡眠記録と育成ゲーを合体させたようなアプリである。
昔少しだけ使った睡眠アプリだと、私の適切な睡眠時間は7時間30分くらいと推定されていた。一方ポケスリが目標としている睡眠時間は8時間半である。これは個人の体質に関わらず、誰がやっても8時間半が100点満点に設定されるらしい。そんなに早く寝ても布団の中で起きていてしまったり、早く目が覚めてしまったりして意味がないのでは?当初はそう思ったのだが、実際やってみるとこの設定時間は案外適切なのかもしれないと思い始めた。
まず睡眠の質のためには、眠る1時間前からスマホをいじらないようにした方が良い。その間は紙の本を読んだり細々した家事をしたりすれば良いのかもしれないが、起きていると何だかんだでスマホをいじってしまうという問題があった。これを解消するには、寝る1時間前からスマホがいじれない状態になれば良い。ポケスリはスマホでポケスリ以外のことをしていると睡眠時間を計測しないという性質があるため、下手なスクリーン機能よりよほどデジタルデトックス効果があるのである。そしてスマホがいじれないので仕方なく布団に入ると、意外と早く眠れてしまったりするのだ。
朝は6時に起きるので、ポケスリで満点を取るためには9時半にポケスリを起動する必要がある。始めた当初は就寝目標時刻を10時に設定して9時半に寝ていたのだが、可処分時間の少なさが嫌になって11時に設定し直した。それでも平日平均7時間は眠れているので、すごいアプリだと思う。
「今日は夜という時間を楽しもう」という夜更かしは、良い夜更かしだ。一部の音楽やお酒や本は、朝の爽やかさや昼のまともさより夜の没入感の方が合う。しかし「無意識にだらだらスマホを見てしまって気がついたら0時過ぎていた」という夜更かしからは後悔しか生まれない。いや、そもそも時間を体感していないわけだから、それは夜更かしですらない「無」である。スマホを見ている時間は元々「無」なのであるから、睡眠時間に充てるべきだ。
ポケスリを始めて3週間が経ったのだが、土日に朝6時〜7時くらいに自然に目が覚めるようになった。睡眠負債が溜まっていないと、土日で取り返す必要がないのでいつもと同じ時間に目が覚めるということらしい。平日早く寝ることで人間の可処分時間は減るどころか、案外増えるのかもしれない。