私達は自分の身体の中を直接見ることはできないし、触ることもできない。
その薬がどうして頭痛に効くのかわからないまま薬を飲んでいる。食べた物がうんこになって出てくる確証はないのに、食べている。こんなにわからないままなのに、放っておいてもちゃんと機能してくれている肉体という機械は実際すごい。
一方で生き物の肉体は、ときにあまりにも繊細でもろい。例えば掃除機の吸い込み口に物が詰まってしまったなら、何日も詰まったまま放っておいても詰まったものを取りさえすればすぐまた使えるようになる。しかしこれが生き物だと、喉に物を詰まらせたら大至急吐き出させなければ死んでしまう。三日後に手術して取り出せばいいやというわけにはいかない。
肉体というものは、自分そのものでありながら、ある程度意識して操作もできるという、不思議な存在だ。自分で『こうなりたい』というイメージを持って肉体を変えたら、その肉体を持っている自分は、おそらく今とは違った考え方をするようになるだろう。
だから、「自分の性格が嫌い」とか、「自分のキャラに飽きた」というときは肉体を変えることを考えるというのも一つの手なのではないか。今の自分が悩んでいることを、来年の自分も悩んでいるとは限らない。