みやけばなし

日々の記録とフラッシュフィクション

モノはからまる(2020年10月11日)

 私は片付けが苦手だ。机の上は大体いつも散らかっているし、モノをよくなくす。そこで、片付けをしたほうがいい理由について、思いつくだけ書き出してみた。

 

 

モノを片付けた方がいい理由

1.探すのに時間がかかる

 5個のボールから1個探すのは簡単だが、100個のボールの中から探すとなると全部のボールに目を通していくだけでも時間がかかる。

 

2.劣化が早くなる

 カバンの中にぎゅうぎゅうにモノを詰めたとき、定期券や財布を引っ張り出そうとして別のモノまで一緒に出てきてしまったことはないだろうか。モノは放っておくと絡まる。これはイヤホンコードのようなひも状のものに関わらず、みんなそうである。絡まると壊れやすくなる。

 

3.「なくなる」リスクが上がる

 質量保存の法則に反しているようだが、モノは放っておきすぎると「なくなる」。これは大きなものが小さいものと絡まって、小さいものをどこかに連れ出してしまうからと思われる。

 

4.集中力が下がる

 注意資源、ワーキングメモリーという概念がある。たくさんのモノやタスクを抱えていると、自分では意識を向けていないつもりでも勝手に注意が向いてしまい、散漫になりやすい。

 

5.他の人が探すのに時間がかかる

 特に家や仕事場等で複数名で使っているものの場合、使い終わったらすぐに決まった場所に戻さないと、他の人に延々探されてしまい、迷惑がかかる。

 

6.モノの存在が薄くなる

 冷蔵庫にモノを詰めすぎると、最初に入れたものはどんどん奥の方に行ってしまい、存在感が薄れていき、久々に冷蔵庫を整理してみたら賞味期限の切れた食べ物が出てきた、ということになる。埋もれて目に見えなくなったモノは、そこに存在こそしているものの、意識に上ってこないので有効に活用できない。

 

7.動線を阻害する

 生活の中で通る場所や作業空間に使わないモノがあるといちいちそれをどかす必要が出てくるので、単純にエネルギーの無駄である。

 

8.家賃の無駄

 7.とも重なるところがあるが、例えばトイレットペーパーを買い溜めして1㎡の床面積を常に埋めているとしたら、20㎡で月に6万円の家賃を払っているとすると60,000×1/20で月に3千円も損していることになる。同じことが多かれ少なかれ、他のモノにも言える。

 

 これだけ「片付けた方が良い」と頭ではわかっているのに、何故散らかしてしまうのか、自分でも不思議でならない。あるいは、全く何も気を使わないよりかは片付いている方なのだろうか。

 ただ、ある程度モノに囲まれていないと何となく寂しいというのも本音で、片付けの本で見かけるような「何にもない」家で暮らすということには、耐えられる気がしない。私はとても忘れっぽいので、家の本棚を見回して自分が何を好きだったか、どんな考え方をしているかを定期的に思い出しているところがある。最近では、どんなに良い食べ物を食べていても風呂に入らなければ体が臭くなるように、定期的に片付けをする必要があるというのはもはや宿命なのではないかと思えてきた。自分のセーブファイルを周りのモノに委ねている以上、定期的に身の回りのものと対話しながら自分をアップデートしていく方が、自分には性に合っている。