通勤で使う電車を、急行から各駅停車に換えた。
急行の方が無論早く着くが、次の電車の待ち時間を加味すると大差ないし、各停の方が座れるからだ。
電車で目的地を目指す場合、大体の方角を決めてまずは一気に新幹線や急行でその近くまで近づいて、細かいところは各停に乗り換えて、目的地までは自分の足で歩いていくことになる。本当は最初から全部徒歩で行った方が道中のこともよくわかるのだろうが、時間は限られているからそういうわけにもいかない。
人生に置き換えると、学生時代はがむしゃらに勉強していれば良いが、大人になったら自分で進む方角を決めて自分で電車に乗らないといけないし、降りるタイミングも自分で決めなければならない。例えば家を買うにしても、宝くじでも当たらなければ、結婚するかしないか・子供を作るか作らないか・収入はどのくらいか等がおおまかに決まっていないとどんな家を買っていいかわからない。「自分の人生はまぁこんなところだろう」という目処がついたから家を買うとも言える。家を買うとか終の住処を決めることは、急行を降りて各駅停車に乗り換えることに似ている。
私個人が家を買うのは、いつになるかわからない。宝くじも買わないし、一生買わないかもしれない。今のところ何だかちゃらんぽらんしてしまっているが、方向性は間違っていないと思うので、せめて最寄駅くらいには着いてから死にたいなと思う。
