みやけばなし

日々の記録とフラッシュフィクション

多様性リマインダーポイント(2023年4月23日)

 

東京レインボープライド(TRP)というセクシャルマイノリティのお祭りが毎年この時期にあり、何だかんだでほぼ毎年行っている。代々木公園の広場にたくさんブース(出店)が出されて、ステージでえらい人がスピーチをしたりドラァグクイーンがショーをしたりする。日曜日には渋谷・原宿の街中をパレードが練り歩く。今年も行ってきた。

今は「ポリコレのせいで映画がつまらなくなった」とか「女性トイレにトランスジェンダーを自称する男性を入れるな」とかいうバックラッシュが起きているので、何となく肩身が狭いというか大丈夫かなという心配があった。しかし実際歩いてみた感触としては、沿道の人たちの空気はコロナ前よりも温かいくらいだった。

私は典型的なLGBTではないので、プロフィールに書いたり本格的に団体に身を置いて活動したりということに抵抗がある。配慮して欲しいこともないし、開示しても無駄に気を遣われるかトラブルを招くだけなので、そもそも開示自体をやめてしまった。その点、TRPは広場で開催されていて文字通りオープンになっているので、気軽に入っていきやすい。

よく誤解されがちなのだが、TRPはそこに行けばみんな仲間・みんな友達というような同質の集まりではない。単に「いろいろな人がいる」というだけなので、TRPに行ったから人生が劇的に安定して居場所が見つかるかといったらそんなことはない。「いろいろな人がいる」ことを知った上で、自分がどう生きたいかは結局自分で決めなければならない。
ただ、日常生活の中で生きていると周りの人間は全員均質に見えて消耗しがちなので、「いろいろな人がいる」ということをリアルで実感できるイベントというのは私が生きていく上でかなり強い強心剤になっている。