みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

何で勉強しなくちゃいけないのか(2016年5月11日)

  一昨年の正月、いとこに「なぜ勉強しなくちゃいけないのか」と聞かれた。   『世の中は勉強がどのくらいできるかで分かれていて、勉強をしておくと、その分勉強ができる人が多い社会に行くことができる。だから、自分が一緒にいたいと思えるような人と一緒にいられるくらいだけ勉強したらいいし、それがよくわからないうちはなるべく勉強しておいた方がいい。』というようなことをたどたどしく説明した気がする。たぶんよくわからなかったと思う。難しい。
   義務教育はみんな一律同じ知識を同じように詰め込んでけしからんという批判はあるが、私はそうは思わない。自分が興味のないことを無理矢理学ばさせられる機会というのは、義務教育以外にない。大人になったら自分の今いる範囲から手を伸ばして、自分の想像の余地が及ぶことまでしか勉強できないのだから、役に立とうが立つまいがいろいろなことを投げ込んでもらって頭を柔軟にしておいた方がのちのちのためにきっと良い。
もっと言えば、単に知識を詰め込むというより、リテラシーを身につけることの方が重要だと思う。学校に通っても、金を稼ぐ方法や増やす方法は教えてもらえない。金を持っている人は他人がポンポン金持ちになったら困るからノウハウを人に教えたりはしない。だから金持ちになりたかったら自分で本を読んで勉強するしかないのだが、人に教えてもらっても勉強できない奴が自分で本を読んで勉強できるかといったら難しいんじゃないかと思うのだ。

   いろいろ考えてはみたが、決定的に「絶対勉強した方がいい」というような論は私には導き出せそうにない。そもそも「何で勉強しなくちゃいけないのか」と考えるのは、勉強ができなくてつまらないからだろう。勉強ができて愉快な人はそんなことは考えない。学生時代に勉強ができた人というのは、意外と勉強ができたことで受けた恩恵について無頓着だったりするかもしれない。「何で勉強しなければいけないのか?」「勉強してよかったことは何か?」と聞かれて多くの人が返答に困るのはそのためではないか。