みやけばなし

高円寺でギター弾いてるやつの日記

クリヰムエロウの爆弾(2023年10月21日)

モノにはちょうどしっくりくる大きさというものがあると思う。

400ccで作られたバイクの250cc版は何か物足りない感じがするし、服なども「Mサイズはいい感じなのに、Lはバランスが変だな」ということがある。これは最初に作られたときの大きさでいい感じになるようにデザインされていて、そこから大きくしたり小さくしたりしたことで何となく違和感が出てしまうのだと思われる。

 

人間の体型でも、元々太っていた人が痩せたとき「太ってたときの方がかっこ良かった(可愛かった)のにな」ということが稀にある。本人からすればお節介でしかないのだが、人間にもその人が一番「いい感じに見える大きさ」がそれぞれある気がする。太りたいなら食いまくって寝ていれば勝手に太るが、筋肉をつけたい場合や痩せたい場合は食事を調整して筋トレや有酸素運動をするという作為が求められるため、先進国では太っているより「痩せている」「筋肉がある」状態の方が価値があるとみなされやすい。しかし全人類が筋肉マッチョやモデル体型が似合うかといったら、そうでもないだろう。

 

本当は、身長も自由に変えられればいいのになと思う。その人の在りたいキャラクターや存在感の強さに合わせて、横幅だけでなく縦の尺も自由にデザインできればいいのに。不思議の国のアリスのキノコみたいに身長を自由に伸縮できたとしても、人それぞれ「これぐらいが一番落ち着く」という身長があると思われる。その身長は、実際やってみたら今の身長よりだいぶ低かったり高かったりするかもしれないのだ。

 

ところでこの小さいマヨネーズを見てほしい。

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セブンイレブンで売っていたものだ。マヨネーズといえば冷蔵庫のドアポケットに入るサイズのあのデカいマヨネーズが一般的な大きさだと思う。

しかしこのマヨネーズは高さ10.5cm程度しかない。この大きさになると、何か雑貨屋にあるオモチャのような可愛らしさが感じられないか。いつもの大きさのだと「こんな量の脂をこれから毎日少しずつ消費するのは…」と尻込みしてしまうが、この重さには梶井基次郎のレモンではないが、周囲の色を紡錘体の中に吸収していくような一種の「正しさ」がある。「料理を美味しく食べるため必要な油脂です」と居直っていて美しいと思う。

 

ものの大きさや人の体型が大きくなったり小さくなったりという序盤のくだりは、単にこのマヨネーズを誰かに見てもらいたかったから書き足した前置きである。